レーザー核融合
高速点火の統合シミュレーション
レーザー核融合では、爆縮と点火をまったく別のステップで実現する高速点火方式が脚光を浴びています。
この高速点火の物理を解明するためには、階層的に積み上げられた多数のコードを連結して統合的にシミュレーションすることが必要です。
そこで、大阪大学、九州大学、兵庫県立大学、摂南大学との密接な共同研究の下、
FI3(Fast Ignition Integrated Interconnecting code)プロジェクトを進めています。このプロジェクトでは、
爆縮による全体的な流体運動は放射・流体コード、超高強度レーザーとプラズマの相互作用は相対論的粒子コード、
高速電子輸送はハイブリッドコード、コア加熱はフォッカープランクコードを用います。図は、
この統合シミュレーションの概念を示しています。
参考文献
Fast ignition integrated interconnecting code project for cone-guided targets
H.Sakagami, T.Johzaki, H.Nagatomo, K.Mima Laser and Particle Beams 24,
191-198 (2006).
Interconnection between Hydro and PIC codes for Fast Ignition Simulations
H. Sakagami and K. Mima
Laser and Particle Beams, 22, 41-44 (2004).
3次元球状爆縮系におけるレイリー・テイラー不安定性
均一な爆縮を妨げるレイリー・テイラー不安定性の研究は、レーザー核融合において重要な課題の一つてす。
この図は、レイリー・テイラー不安定性によって変形した境界面の3次元形状です。
(a)は初期擾乱として球面調和関数のモード数(6、3)だけを与えた場合、(b)はモード数(12、6)だけを与えた場合、
(c)は両方を重ね合わせたものを与えた場合です。また、(d)は正20面体の頂点と内心点の32点にバブル/スパイクをランダムな配置で与えた場合、
(e)はバブルだけをランダムに配置した場合,(f)はスパイクだけをランダムに配置した場合です。
これらの3次元シミュレーションにより、爆縮系では、最大圧縮時における擾乱の成長率は、
どのような初期擾乱を与えても初期振幅だけでほぼ決まる事を初めて明らかにしました。
参考文献
Rayleigh-Taylor Instability in Spherically Stagnating Systems
H.Sakagami, T.Okamoto, M.Horikoshi, K.Nishihara
Anomalous Absorption Conference, Fajardo, Puerto Rico, June 26 - July 1, TP4 (2005).
Large-scale 3-D Fluid Simulations for Implosion Hydrodynamics on the Earth Simulator
H. Sakagami and H. Murai
Innovative Architecture for Future Generation High-Performance Processors and Systems, 102-108 (2004).
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