自然科学研究機構 核融合科学研究所
ヘリカル研究部 基礎物理シミュレーション研究系

多階層シミュレーションモデル

線形アルヴェン波の伝播

プラズマの階層横断的な現象を調べることを目指して、マクロ階層の物理とミクロ階層の物理を、同時に、自己無撞着に解く多階層シミュレーションを行っています。この多階層モデルでは、領域分割法(境界連結法)と呼ばれる、領域によって使うアルゴリズムを変える手法をとっています。図は多階層モデル中を左から右へ線形アルヴェン波が伝播する様子を示しています。中央の領域は粒子コード、両側左右領域はMHDコードを用いて計算し、間に挟まれた領域でお互いのデータをやりとりしながらシミュレーションが進められています。

参考文献
S. Usami, H. Ohtani, R. Horiuchi, and M. Den, Development of Multi-hierarchy Simulation Model for Studies of Magnetic Reconnection, Communications in Computational Physics 4 537-544 (2008)

磁気リコネクションの多階層シミュレーション

多階層シミュレーションモデルを磁気リコネクション現象にに適用しました。ミクロ階層領域(PIC領域)は、磁気中性面に近い中央領域をカバーし、マクロ階層(MHD領域)は、PIC領域の外側にあります。2つの領域の間には、データをやりとりするための領域(インターフェイス領域)があります。マクロ階層からプラズマを流入させることによって、ミクロ階層で磁気再結合を駆動する多階層シミュレーションに、世界で初めて成功しました。




参考文献
S. Usami, H. Ohtani, R. Horiuchi, and M. Den, First Demonstration of Collisionless Driven Reconnection in a Multi-Hierarchy Simulation, Plasma and Fusion Research 4 049 (2009)



研究紹介トップへ

研究所WEBへ