バーチャルリアリティ技術による可視化
没入型バーチャルリアリティ装置「CompleXcope」
CompleXcopeは、3m×3mの大 きなスクリーンで4方向(前左右下)から観測者を囲むことで、観測者をシミュレーションモデルに没入させ、任意の視点から任意の大きさで対象を立体的に観測することを可能にしています。
プラズマシミュレーションのバーチャルリアリティによる解析
シミュレーション研究の計算過程ではコンピュータによって膨大な数値データが生み出されます。そのような生の数字を眺めただけでは実際に何が起こっている
かを認識することは困難です。数値データをグラフにしたり、等高線を書いたりして、人に分かりやすい表現に焼き直して初めてその様子をよく理解することが
できるようになります。近年、日進月歩で進歩するスーパーコンピュータのおかげもあって、大規模な3次元シミュレーションが行われるようになってきまし
た。この3次元データは通常3次元可視化ソフトなどを使って2次元面のディスプレイ上に写して解析しますが、奥行きの情報が十分ではないため、3次元で計
算された物理量の空間構造(磁場構造や粒子の軌道など)を理解するには困難が伴う場合や、全く理解できない場合があります。このような理由によって、3次
元シミュレーションの結果は3次元空間で解析することが望ましいことになります。本研究では、3次元シミュレーション結果を3次元空間で解析するための方
法として、没入型バーチャルリアリティ(仮想現実)装置"CompleXcope"を使った解析を行いました。CompleXcopeを使った解析によって、シミュレーションで得られた電磁場中での粒子挙動を調べ、その結果、複雑な
3次元軌道を描く粒子の運動が磁力線のつなぎ変え(リコネクション)に重要な役割を演じることが明確に示されました。
参考文献
"Scientific Visualization of Magnetic Reconnection Simulation Data by CAVE Virtual Reality System", H. Ohtani and R. Horiuchi, Plasma and Fusion Research, 3, (2008), 054.
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