自然科学研究機構 核融合科学研究所
ヘリカル研究部 基礎物理シミュレーション研究系

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日本物理学会2012年秋季大会領域2 学生優秀発表賞受賞

日本物理学会2012年秋季大会年領域2で、大学院生の畑昌育さんが学生優秀発表賞を受賞しました。


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  • 受賞日付: 2012年9月21日
     
  • 講演題目:
    「プラズマ中の磁場構造における有限電子温度効果」
     
  • 内容:
    電子磁気流体力学(EMHD)モデルの解析解である磁場構造は、渦電流と磁場で構成されており、高密度プラズマ中における電子輸送への応用が考えられている。本研究では、EMHDモデルでは無視されていた電子温度が磁場構造に及ぼす影響を二次元電磁粒子コードを用いて調べた。まず、電磁粒子コードのシミュレーションによって、流体理論では知ることのできなかった個々の粒子の動きが明らかになり、渦電流は径方向に誘起される電場と構造磁場に起因するE×Bドリフトによって保持されることがわかった。そして、異なる電子温度のシミュレーションにより、電子温度が高いほど磁場構造が安定ではなくなることを示した。これは、高温プラズマ中では大きなラーモア半径を持つ速度の速い電子が多いために、構造の外に逃げる電子が増加し、渦電流が弱まることに起因することを明らかにした。さらに、広範なパラメータ領域でシミュレーションを行うことによって、ラーモア半径が構造の大きさより十分に小さいならば、磁場構造が安定であることを示し、その閾値を見積もった。



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