自然科学研究機構 核融合科学研究所
ヘリカル研究部 基礎物理シミュレーション研究系

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日本物理学会2013年秋季大会領域2 学生優秀発表賞受賞

大学院生の斎藤誠紀さんが、日本物理学会2013年秋季大会領域2で、学生優秀発表賞を受賞しました。


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  • 受賞日付: 2013年9月28日
     
  • 講演題目:
    「二体衝突近似シミュレーションを用いた希ガスプラズマ照射下におけるタングステンfuzz形成の検討」
     
  • 内容:
    ヘリウム(He)プラズマをタングステン材に照射すると、数十nm程度の直径の綿毛(fuzz)構造が成長することが報告されている。しかし、ヘリウム以外の希ガスプラズマ(ネオン(Ne)、アルゴン(Ar))を照射した場合、綿毛構造は形成されにくいとの実験報告がある [1]。本研究では、希ガスプラズマに曝されたタングステン材表面に、綿毛構造が形成されるための条件を明らかにすることを目指し、二体衝突近似シミュ レーション[2]を行う。標的材料として、bcc結晶構造を有するタングステンとアモルファス構造を有するタングステンの2種類を用意する。そして,He、Ne、Arの三種類の希ガスを用意した標的材料に打ち込む。シミュレーションの結果、HeはNeおよびArに比べて、材料深部に到達しやすいことがわかった。また、NeおよびArよりもHeのスパッタリング閾値は高い。そのため、Heプラズマは、NeおよびArプラズマよりも綿毛構造を形成しやすいことを示した。
  • 参考文献:
    [1] M. Yajima, M. Yamagiwa, S. Kajita, N. Ohno, M. Tokitani, A.
    Takayama, S. Saito, A. M. Ito , H. Nakamura and N. Yoshida: “Comparison of Damages on Tungsten Surface Exposed to Noble Gas Plasmas”, J. Plasma Sci. Technol. 15(2013) 282 (5 pages).
    [2] S. Saito, A. M. Ito, A. Takayama and H. Nakamura:
    “Binary-Collision-Approximation-Based Simulation of Noble Gas Irradiation to Tungsten Materials”, J. Nucl. Mater. 438 (2013) S895-S898.



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